redjuice × loundraw

美しさは、こう創られる。ふたりが描くイラスト表現の本質へ。

花火と幽霊|映画「サマーゴースト」特別展

EXHIBITION 序文

映画「サマーゴースト」第二弾コラボレーションは、イラストレーター・redjuice(レッドジュース)と。
10代の頃、redjuiceの作品を模写し、自らの作風を模索するなど、氏の作品に影響を受けたloundraw。イラストレーターとして活動しながらもキャラクターデザイン、コンセプトデザインなど領域を超える活動を行ってきたredjuice。
このふたりの歩みからは共通する事柄がいくつも発見できます。

『君の膵臓をたべたい(住野よる)』『君は月夜に光り輝く(佐野徹夜)』『恋のゴンドラ(東野圭吾)』『余命10年(小坂流加)』など数々の大ヒット小説の装画を描いたloundraw。

『虐殺器官(伊藤計劃)』『ハーモニー(伊藤計劃)』『BEATLESS(長谷敏司)』『ルー=ガルー 忌避すべき狼(京極夏彦』など、こちらもSF小説の最高峰を一手に引き受けるredjuice。

活動の場は装画、キービジュアル、音楽ジャケットイラストなど1枚絵の領域を越え、TVアニメ『月がきれい』、TVアニメ『Vivy -Fluorite Eye's Song-』のキャラクター原案をloundrawは手掛け、redjuiceもTVアニメ『ギルティクラウン』、音楽ユニット『EGOIST』のキャラクター原案を。
また、前者が劇場版 『名探偵コナン』『ジョゼと虎と魚たち』、後者が『BEATLESS』にてイメージボード・コンセプトデザインを担うなど、アニメーションのフィールドへ活動の幅を広げていく。

イラストレーターとして「レイアウト(構図)」「キャラクターデザイン」「背景美術」「仕上げ」まで。1枚絵を構成するさまざまな要素を高い次元で行い、"技巧派"とも称されるふたりの作品は、イラストレーターに必要な技術と感性、そしてクリエーターとしての歩み。多くのヒントが隠されているはずです。

今回の特別展「花火と幽霊」では、映画サマーゴーストをひとつのお題目として、同じ題材をふたりが異なるアプローチで描く、ある種のイラストレーター同士の"対バン"企画でもあります。

また、本展示では映画「サマーゴースト」にもつながる大切な物語が描かれます。
様々な角度から、何度でも楽しめる特別展。このまたとない機会を是非お楽しみにください。

”サマーゴースト”って
――知ってる?

PROFILE 自己紹介

redjuice

イラストレーター。1976年生まれ。高知県出身。

コンピューターを駆使し、既存の枠にとらわれない表現が、国内外を問わず高い評価を得ている。「Project Itoh」3作品すべてのキャラクター原案を担当。TVアニメ「ギルティクラウン」やゲーム「花咲くまにまに」のキャラククター原案やキャラクターデザイン、SF小説「BEATLESS」のキャラター・コンセプトデザイン等、様々な分野で活躍している。

loundraw

イラストレーター。

2019年1月アニメーションスタジオ《FLAT STUDIO》を設立。

透明感、空気感のある色彩と、被写界深度を用いた緻密な空間設計を魅力とする。2021年2月、初監督映画『サマーゴースト』の制作を発表し公開が控えている。

redjuice interview

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高知県土佐清水市出身のイラストレーター・デザイナー。

ウェブデザイナーとして活躍する傍ら、2007年頃よりトレーディングカードやインディーズCDのジャケットイラストを手がけるようになる。ソングライターryoを中心とするクリエイターユニット「supercell」のメンバーとして手がけた『ワールド・イズ・マイン』のイメージイラストが楽曲のヒットと併せて話題を呼んだ他、初音ミクを使った初のメジャーCD、livetune feat.初音ミク『Re:package』、続く『Re:MIKUS』のジャケットイラストを担当し、イラストレーターとしての活動を本格化させる。2011年放送のTVアニメ『ギルティクラウン』のキャラクター原案に抜擢されたことで脚光を浴びると同時に、いわゆる絵師というものから、コンセプト策定・デザイン・キャラクター原案といった分野まで活動範囲を広げる。「ギルティクラウン」中に登場した架空のアーティスト『EGOIST』のビジュアルを担当。以後、2015年公開映画『Project Itoh』全作品(『虐殺器官』『ハーモニー』『屍者の帝国』)のキャラクター原案、小説/TVアニメ「BEATLESS」のキャラター・コンセプトデザイン等、様々な分野で活躍している。そのイラストが持つ独特の雰囲気と既存の枠にとらわれない表現が、国内外を問わず高い評価を得ている


2007
イラストレーターとして活動を始める。
2008
ワールド・イズ・マイン/ supercell(音楽):イラスト
2009
Re:Package / livetune feat.初音ミク(音楽):イラスト
2011
BEATLESS(小説):キャラクター原案、イラスト
ギルティクラウン(TVアニメ):キャラクター原案、イラスト
2011~
EGOIST(音楽):イラスト
2013
花咲くまにまに(ゲーム):キャラクター原案、イラスト
2015
Project Itoh「屍者の帝国」「ハーモニー」(アニメ映画):キャラクター原案、イラスト
2017
Project Itoh「屍者の帝国」「ハーモニー」(アニメ映画):キャラクター原案、イラスト
2018
BEATLESS(TVアニメ):キャラクター原案、イラスト
ドールズフロントライン(ゲーム):「M82A1」キャラクターデザイン、イラスト
2020
Fate/Grand Order(ゲーム):「エウロペ」「オデュッセウス」キャラクターデザイン、イラスト

今回のコラボレーションについて

(企画を聞いたときどう思ったか)

最初はコラボレーションと聞いて、FLAT STUDIOの皆さんをはじめとした多数のイラストレーターのコラボ展をイメージしたんですが、どうやら2人展らしいと・・・

いきなりご指名が来たのでめちゃくちゃびっくりしました。格闘技観戦してたら、いきなりリングの上からマイクパフォーマンスで対戦申し込まれた感じですかね・・・

(今回の企画に対する意気込み)

勝ち負けを競うわけではないですが、「並べて観てもらうことで見えてくる価値観」を創ることができればいいなと思います。

loundrawのイメージ

レンズ越しの超現実といいますか、光、影、色彩をはじめとした光学を意識した独自のスーパービジョンを持ってる新しい世代のクリエイターというイメージです。

光学的な画作りだけでなく、瞬間的に感じたエモーションを、ニューロンの迸りを逆流させて映像にしたような、フラッシュバックに近いシーンを描くことができる・・・上手く言い表せませんが、要するにエモいってことです。

今回のイラストで挑戦したいこと

人間の視覚や知覚といった、「目で見えているモノは全て脳でプログラミングされた錯覚である」というコンセプトで新しい画作りができないか、というのが目下の研究課題です。異次元や死後の世界、データクラウドと現実世界を混在させる、拡張現実のような表現に挑戦してみたいと考えています。

loundraw interview

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イラストレーター。2019年1月アニメーションスタジオ《FLAT STUDIO》を設立。透明感、空気感のある色彩と、被写界深度を用いた緻密な空間設計を魅力とする。2021年2月、初監督映画『サマーゴースト』の制作を発表し公開が控えている。


君の膵臓をたべたい
住野よる
双葉社
装画
君は月夜に光り輝く
佐野徹夜
KADOKAWA
装画
劇場版「名探偵コナン 緋色の弾丸」
名探偵コナン製作委員会
イメージボード
ILLUSTRATION2018
平泉康児
翔泳社
装画
GIRLS DON'T CRY
loundraw
THINKR
キービジュアル
夢が覚めるまで
loundraw
オリジナル
監督

今回のコラボレーションについて

15歳の僕にとって、redjuiceさんは憧れでした。

僕の中学時代は、ちょうどネットからクリエイターが生まれ始めていた時期で、
そのまさに先頭にいたのがredjuiceさんでした。

創作がそのまま世界に繋がっていること、そして、絵を描き続ける理由を、その背中から教わりました。

自分の未来もわからなかったあの頃から十年、このような機会をいただいたことを、とても光栄に思っています。

loundrawからみたredjuiceのイメージ

デジタルイラストを描くということを突き詰めた方、というイメージです。

3Dやソフトの特性を最大限活かした手法は、デジタルで絵を描くことの意義を問いかけているようにさえ思いました。

洗練されたスタイリッシュな絵柄であることに加え、レイヤー構造から加工に至るまで、プロセスにも美は宿るのだという信念を、そのどこまでも妥協がない姿勢から感じています。

今回のイラストで挑戦したいこと

これまでと反対の側面から、「光」を描くことに挑戦しています。

光と影は表裏一体である、そんなコンセプトをもって、「暗い」「重たい」とされるようなモチーフや表現にも正面から向き合い、その向こう側にある希望を描いています。

綺麗事だけじゃない、現実に向き合ってこそ見えてくる、
そんな力強く美しい瞬間を描くことを目指しました。

OUTLINE 概要情報

2021 9.1 Wed → 9.13 Mon

  • 主催・企画制作:PARCO / FLAT STUDIO
  • 協力:avex pictures / THINKR

SHIBUYA PARCO B1F | GALLERY X

〒 150-8377 東京都渋谷区宇田川町15-1
TEL 03-6712-7505

営業時間:11:00~20:00
入場料:¥500 (ステッカー付)

※最終日は18時閉場
※営業日時は感染症拡大防止の観点から変更となる場合がございます

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